四国中国見聞録【前編】

四国中国見聞録【前編】

 

前日、明日から旅が始まるという興奮と準備のためなかなか寝付けず、

結局午前2時頃就寝し、案の定出発が朝9時になるというお決まりの展開でスタートした中国四国の旅。

 

前日職場で、

 

「明日の昼頃には香川でうどん食ってますわ~ワハハ」

 

と言っていたフラグも見事に回収

 

昼頃やっとの事で京都の上の方、舞鶴を通過し、そのまま神戸を突き抜け明石海峡大橋の大きさに驚きつつも

四国に初めて上陸。

 

入り口は香川ではなくて徳島であったこと気づくのが遅い。

 

最初の目的地は四国八十八か所お遍路の最初の寺である霊山寺(りょうぜんじ)

お遍路の始まりというのでどんな山奥なんやろうと思っていたが意外と普通の道沿いにあった。

 

 

とりあえず車を止め、案内所のようなところに入ってみる。

 

ポケモンでいうところのマサラタウンである。案内所はオーキド博士の研究所というところか。

 

だとすると、僕はまず案内所ではなくて近くの草むらに入らないといけない。

 

ポケットモンスターならぬお遍路モンスターが飛び出してくるのだろうか?

全然おもしろくない・・・

 

それはそうと、案内所に入った時の店の奥に老婆が2名ほど鎮座していたが、

 

その眼光たるや鋭く、また迷える子羊がきたのう・・・とでも言わんばかりの値踏みするような視線で見てくる。

 

蛇に睨まれたカエルのごとく一瞬体に力が入らなくなった気がしたが、杖や経典など陳列してあるお遍路グッズを

 

物珍しそうに物色していく。

 

今からお遍路するわけではないのに生半可な覚悟でこの施設に足を踏み入れたことがよくなかったのかと思いながら一通りのアイテムを見てから案内所からそそくさと出る。

 

すると一人の真面目そうなメガネの青年から声をかけられた。

 

「四国電力のものですが」

 

「はい・・・」

 

「今こういうものを作ってまして」

 

青年、1枚のチラシを手渡してくる

 

遍路のあかりというアプリで、お遍路される方のサポートするアプリでして・・・

 

話を要約すると次の寺の位置情報を教えてくれたり、八十八か所の寺の歴史やうんちくがまとめられていたりするアプリで、近くの飲食店も検索できるらしい。

それぞれの寺の電柱にビーコンが設置されていて、そこからお遍路人の位置情報を読み取って近くの飲食店を教えてくれるらいいのだが、

 

それグーグルマップでよくね?

 

という率直な感想は胸にしまい、

意見やもっとこうしたらいいということなどあればと問われたので、

 

実際に遍路する人の気持ちになって、不安なとことを解決するQ&Aを載せてみてはどうか?

自分の位置だけでなく、このアプリを使いながらお遍路している他人の位置もわかるようにしてみては?

という至極真面目な意見を述べた。

昨今の位置情報を活用したアプリやポケモンGOに着想を得たもので、

お遍路GOというアプリにするとちょっと遍路時のテンションが高すぎるのではないかと

世間のバッシングを浴びそうなので飲み込んだ。

 

一句 

寺八十八、テンポよくいこう、templeだけに。

 

はい

 

青年に別れを告げ、

軽く境内を見て回る。

白装束のおっさんが般若心境を唱えていて、あ、この方はかなりの上級者かな、

と思ったのがハイライト。

 

車に戻ると、隣に東京ナンバーのインプレッサが止まっている。

運転席には若いにーちゃん。

 

なにやらフロントガラスの内側に画用紙みたいなものが。

 

「日本一周中。free hug」

おう。

 

見なかったことにして車のエンジンをかけ、今宵の目的地である徳島市内を目指して出発した。

 

お遍路についてであるが、

 

お遍路の際の最重要アイテムである杖には南無大師遍照金剛同行二人と書かれている。

これは自分一人で回って居るのではなく大師さまと一緒に回っているのだということ。

 

そのため、杖は大事に扱わなければいけないのだそうだ。

 

それと、僕の大学の時の後輩で、歩き遍路を達成した奴がいて、

 

彼曰く、遍路は人生そのものであるそうだ。

 

つまり、長い旅の中で精神的、肉体的に辛いことがあるが、それが人生に思えてくるとのこと。

 

 

いつか歩き遍路で全行程八十八ヶ所達成してみたいものだ。

 

 

寺を後にし目指すは徳島市。

 

とにかく徳島ラーメンを食さねばなるまい。

 

先にホテルにチェックインを済ませ、小雨の中、のれんをくぐる。

 

 

卵が入れ放題。

豚骨醤油がなんともしみる徳島ラーメン(卵投下前)

 

からの2軒目を探して徳島の繁華街を歩く。

 

一部ピンクなお店もチラホラ。

 

歩いているとホームレスを自称するおっさんから声をかけられる。

 

「おうアンチャン、すこし援助してくれんか」

 

「僕よりもっと持ってる人がいっぱいいるのでその人に頼んでください。それに僕旅行者なんで。」

 

というくだりがあった。

 

初めて訪れた地だとなおさら、地元の人でワイワイガヤガヤしているようなバーや居酒屋には入りにくい。

彼らの日常を、よそ者が入ってきたことによって非日常に変えてしまったら申し訳ないなという謎の引っ込み思案精神がある。

 

何軒か覗いて、客の入っていない店を見つける。

店主は髪が明るめの茶髪のねーちゃんの店である。

 

そのねーちゃんは35歳とのことである。

 

 

Today's地酒は土佐鶴。高知のお酒で辛口です。明日は高知へ行くので予習として

 

 

バーを後にし、ホテルへ帰る。

 

こうして1日目がおわった。

 

 

翌朝は優雅に大浴場を独り占めし、サウナに入った後、高知へ。

昨日小雨の中徳島の繁華街を歩き回ったおかげでかかとが靴づれしたので現地の薬局で絆創膏を調達しその場で装備。

 

めざすはひろめ市場。

 

高知はすごかった。

女の子が美人すぎる。

そりゃ龍馬もこの顔なるわと思う。 

 

昼間っからビールとぎょうざ

平日の昼間である。

 

カツオのたたきは絶品。

 

 

 

高知を後にし

 

香川へ。

 

香川で大学の先輩と会う。熱い話になる。

 

 

1軒目は行きつけの居酒屋

2軒目にうどんを食し、

3軒目にはもはやハイボールとさつまいもアイスしか入らなくなっていた。

 

先輩とわかれ 

 

今日のお宿に。

 

宿はゲストハウス。

 

その後ろ姿を見ながらエレベーターを上がり、自分の区画へ。

自分の区画は下段であった。

 

こういう狭いところはめちゃくちゃ落ち着く。

お酒がまわっていたこともあって、翌日の作戦会議を一人でとりおこなっているとすぐに眠気がきて、そのまま爆睡。

 

起きると10時。チェックアウトの時間である。

1時間すぎると千円も追加料金を申し受けますと説明の用紙に書かれていたので、

それ超えなければいいのかと納得し、そこからシャワーを浴びてホテルを後にする。

 

今日はまず本格的な香川のうどんを食べないといけない。

その後道後温泉に行き、

さらに明るいうちにしまなみ海道を渡りたい。

 

そして尾道まで到達するというめちゃくちゃハードなスケジュールが待っている。

 

なので無駄な時間は少しもない中、

 

うどんの店に到着。

 

はいっ!

 

店内は高校生からお年寄りまで老若男女が集まっていた。

すみっこのカウンター席について釜玉うどんが運ばれてきた時にはすでに店の入り口まで行列ができていた。

繁盛してるな。

 

ここで印象に残る壁のはりがみ。

 

釜からあがって10分経過するとうどんは死ぬ。

 

お腹がいっぱいになった。

 

 

んで道後温泉到着。

坂道が多くて楽しい。

車を止めて、旅館と旅館の間の細い坂道から温泉街の方へ降りていく。

突如、いかめしい名前の旅館が目の前に現れた。

「重役室」

 

結論から言うと旅館ではなかった。温泉街特有のアレだ。

 

 

そこを抜けるとまたまたいかめしい黒服のおっさんが両脇に立ってこちらを見つめる。

獲物を狙うハイエナのような目をしている。 

緊迫した雰囲気の中を何事もなかったように平静を装いながら通り過ぎる。

 

昨日お遍路もせんのに案内所を訪れた僕に対してのものと一緒だった。

 

こちらは「無料」案内所であったが。

 

自分のはっきりしない態度を見て

「入るのか否か白黒はっきりしろ」と訴えかけるが

 

なんとか切り抜け、道後温泉街に足を踏み入れる。

風俗レポートを楽しみにしていた皆様すいません。それはまたどこかで。 

 道後温泉!

 

 

 

いい湯でした! 

 

 

くねくねする山道を抜けていよいよしまなみ海道突入である。

 

この頃にはもう暗くなっており、

 

特になんの感動もなく通り過ぎた。

天気良い時にチャリで来ると最高なんだろうなと思った。

 

 

しまなみ海道を抜けついに今日の目的地である尾道に到着。

尾道の街をとりあえず車で走ってみる。

 

第一印象は金曜の夜にもかかわらず全然人おらんやんけ。

 

適当にぶらぶら散歩しつつ尾道ラーメンの店に入るお。

 

 

注文!!

 

明日は山口に向かう。

その予習にと山口の銘酒。獺祭純米大吟醸を注文。

 

 これが絶品であった。

はちみつ舐めてるまではいかんけども甘みがあって、

今回の旅のベストオブ地酒にノミネート。

 

そしてバイトのにーちゃんに話しかける。こういうところでは自分からエイっと話しかける勇気があればなんとかなる。

 

ほどなくして隣の老夫婦から話しかけられる。

 

「にーちゃん旅行か?」

 

「旅をしております。金沢からきまして」

 

「へぇ~金沢から。そりゃ遠いところから来たね。」

 

 

そこから奥さんの話を聞く役になる。

少々あらびきで 要約すると

 

ひとり娘今年26歳で僕と同い年が、現在東京で住んでる。

なにやら彼氏(37)ができたらしくその彼氏がすごい。

不動産会社を経営しており、娘さんは港区に11万円のタワマン住んでて(親負担)、ハリーウィンストンのダイヤの指輪を買ってもらったとか。典型的な港区女子。同世代の男は完全に見下しているらしい(両親談)。

ここからはムーディー勝山。受け流していく。

ロレックスについての話題。レクサス、ベンツについて。駅前に家買ったことについて。

彼氏の会社について。目ん玉飛び出るほど金持っていることについて。ご両親へのご挨拶について。

事細かに話してくれた。んでスマホを見せて写真を見せてくれた。ああ、これは同世代の男子全てゴミと思ってる顔ですわ。と思ったが、僕は綺麗ですと太鼓判を押した。

褒めれば害はない。

それにしても金持ってんなこの夫婦。

 

しかし、宿についてはあえて何も決めていなかったため、今回の旅で初の車中泊となる。

 

こうして三日目は幕を閉じた。

 

前半終わり。後半に続く。

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