シンゴジラと日本スクラップアンドビルド
危機に直面した時にどう動くべきか?
この問いに対する教訓を提示しつつ、現代の官僚構造皮肉り、それfだけでなく今後の未来に対する期待を抱かせてくれる作品。
単純にシンゴジラは抗えない自然災害の比喩であったり、
人間が自ら作り出した核のメタファーとして描かれているものの
物語はとりあえず凍結すると言う作戦が成功したところで完結する。
しかしながら、完全にゴジラが消滅するエンドではないところに
作者の思い、伝えたいものが現れていると考える。
正義が単純に勝つ勧善懲悪の物語ではなく、
現実としての問題提起をしているところがある。
より一層リアルを追求した作品
この作品を語る上で避けては通れないのが
政治家の挙動だ
官僚主義、形式主義、意思決定の遅さ、縦割り組織の構造が
国際社会と比較され皮肉られている
東京の街は焼け野原になるが、
印象的なセリフが放たれる
「この国はスクラップアンドビルドでここまできた」
この一言、シビレる。
これまでの近代史をわかっている日本人であれば
感慨深さを抱かざるを得ない
フィクションでありながらも
限りなくリアルの世界観とシンクロさせているおかげで
物語をフィクションとしてではなく、ドキュメンタリーを見ている感覚に近く、
感情移入が容易だ。
政治面での演出は、生々しく出世に関する発言が盛り込まれていることも相まって
登場人物の人間味をより引き出し、これがリアルな世界観の構築に一役買っている。
以上感想。
完成度高し。